高架橋


高架橋は、地表面の渋滞を緩和してくれるし、 その利便を比較的安価に提供してくれる。 でも、騒音や、埃、排気ガスを遠くまで撒き散らしてしまう。 地上の人間からは、見晴らしを奪ってしまう。
私たちは、そのデメリットに、すぐ気が付いたが、長い間、気にしないよう、 我慢してきた。 それなのに、唯一の取り得の、渋滞緩和の効用が、 十分発揮されず、しかも、利用するとき、料金まで取られるとなると、 我慢ができなきなってきた。 こうした、社会の心を、土木技術者は知るべきである。 とくに、国土交通省や、土木学会は、このことを肝に銘じなくてはならない。 いまから、35年前、わたしが新入生として聞いた話を思い出す。 おそらく、本省の課長か補佐の講師であったろう、・・ テーマは開かずの踏切であった。 道路側が鉄道の敷地、施設を使わせてもらうのだから、かれらが 一切のコストを負担して、高架なり、地下道路を作るべきだ、という話であった。 これほど、近隣住民の気持と、当事者の気持がすれ違っているものはない。 どちらの側も、金を出したくないし、金をだすべきでないという理屈を持っている。 わたしは、いつも笑ってしまう。 住民が、あと一円ずつ多く払って、電車を利用すれば、立派に解決できるのに、 公共料金値上げ反対、ということで一円を惜しむからこうなるのだ。 これを、解決できるのは、近隣市町村でもなければ、鉄道事業会社でもない。 つまり、不便を解消する社会のしくみができなければ、解決できないのである。 例えて言えば、われわれ個人が、病気になったとして、お医者さんが必要なように、 不便を直す、第三者、つまり、解決のしくみを作る医者が必要なのである。 (鉄道のほうは、そういった投資分の先行的、料金上乗せ制度が認められ、 東急線や、京王線などの高架、複複線化が進んできた。) もとに戻って、道路橋のことについても、やはり、そういったしくみが必要なのである。 高架橋によって、広い範囲の住民に、騒音、ほこり、ばい煙などの被害が及んでいます。 重病を放置しては、土木への信頼は、憎しみに変ります。

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